カナダの幼児教育 小児科看護師としての視点
2023/03/17日本で小児科の看護師として働いていたMさんは、長期入院が必要な子ども達の成長発達について、病院という限られた環境でどのような支援が出来るか考え続けていたそう。
デイケアという集団生活の中で、子どもが何をどのように学び、先生たちはそれをどう支援しているのか、また、カナダの多民族で自立が重要視される文化の中でどのような幼児教育が行われているのか興味を持ち、2週間の幼児ボランティアプログラムに参加されました。Mさんの体験談をご紹介します!
私が活動した施設は、年齢別ではなく3-5歳の子どもが一緒に過ごすスタイルで、子ども同士が影響しあい、年長者は責任感を、年少者は年長者から見本の行動を学んでいるように感じました。
施設スタッフも発達段階が異なる子ども達が共に楽しみ理解できるように指導する必要があるため、発達段階や個別性に配慮したアプローチの差を学ぶことができ大変勉強になりました。
出来ることは自分でやる、自分の意見を言葉にすることへの働きがけが日本より強い気がします。子ども達が自分でできないときに“I need your help”と自ら言葉にして助けを求められることにも驚きました。
スタッフは子どもの自立を促す一方で、気持ちが不安定な子どもを抱きしめたり、ゆっくり話を聞き子どもの気持ちに寄り添う姿はとても印象的でした。
また、最終週に平和について学ぶ時間があったのですが、平和という目に見えない概念を1週間かけて州、国、地球、宇宙のスケールで考え、最終的に平和とは行動レベルでどういったことなのかを子ども達と一緒に話し合いました。子どもには難しいと諦めるのではなく、子どもが理解できる形で大切なことを伝えたい、一方的に教えるのではなく一緒に考えるという姿勢にとても感動しました。
外部講師を定期的に招いて子ども達が外部の人と関わったり、新しいことをより専門的に学べる機会も充実していました。
これ以外にも書ききれないほど新たな発見や学びがあり、単純に元気いっぱいの子ども達とたくさん遊んで私も元気づけられましたし、私のつたない英語でも子ども同士のトラブル解決のサポートが出来た時はやりがいを感じました。
また復職したら、病院という環境でも出来る限り他児と遊んだり医療者との間でも社会性を学べるような環境づくりを心掛け、大人対子どもとしてではなく、人対人としての関わりを大切にしたいと思います。
小児科の看護師として働かれていたMさんだからこそ、デイケアにおける日本とカナダの違いを身をもって感じられたと思います。Mさん、素敵な体験談をありがとうございました!何か新しいことに挑戦してみたいな!という方はお気軽にお声がけ下さい♪